賃貸マンション・アパートにまつわるトラブル（騒音・漏水・煙草・訪問販売・鍵の紛失・共用部分・家賃の滞納・敷金返還・原状回復等々）を、下世話に、馴れ馴れしく、クドクドと、そして極めて偏った立場で解決を試みるサイト「賃貸トラブルQ&A」。役に立つ情報より立たない情報の方が多いかも。最初に謝っておきます。ゴメンナサイ。
火災保険の更新を忘れてたわ。けど、建物は大家が保険入ってるし、別に更新しなくても大丈夫だよね？
火災事故起こしたら賠償責任からは逃れられない!!四の五の言わずにすぐに「賃貸用保険」を更新・再加入せいっヽ(#`Д´)ﾉ
契約時には仲介業者や大家から半強制的に入らされる「火災保険」。
これって結構忘れられがちなんだよな、更新するの。つか賃貸借契約の更新だの保証会社の更新だの時期も重なるしイロイロ物入りで、そんで「金もなくなったし、俺タバコとか吸わねーし、大体建物は大家が火災保険に入ってるから大丈夫だろ」ってんで後回しにする輩が多い。
いやいや、ホントにそれでいいと思ってんの？（滝汗）
①「失火責任法」なんてものがあるが…
民法第七百九条は「不法行為」について書かれてあって、「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う」と記されている。
早い話が「迷惑掛けたら弁償しなさいよ」ってことだ。
んが、日本には「失火責任法」なんて法律があってさ、それには「民法第七百九条の規定は失火の場合には之を適用せず（以下略）」とあるんだな。
つまり、（以下略）に書かれている重大なる過失がなければ、類焼等で与えた被害は弁償しなくていいよってこと。まあこの法律が制定された明治の時代なんて木造家屋ばっかで、耐火も防火もヘチマもなかっただろうしな。その救済策だろう。
いやいや…安心するのはまだ早いゾ。
②「原状回復義務＞失火法」な。弁償の義務は免れられない!!
君たちが部屋を借りる時に結ぶ賃貸借契約には、原状回復に関する条項が「必ず」記載されている。
国土交通省から落とせる契約書のテンプレにも「乙は、通常の使用に伴い生じた本物件の損耗を除き、本物件を原状回復しなければならない」とハッキリ記載されている。
この条項も盛り込んだ契約行為なので、退去時には当然原状回復（もしくはその費用の支払い）が発生するのだが、これを行わないと「債務不履行」となるワケだ。
ここで大事なのは、失火法はあくまで「不法行為」にのみ有効なのであって、「債務不履行に基づく損害賠償」を擁護する法律ではナイってこと。
つまり、部屋を燃やしたら弁償しないとイケナイのだ。
③そのための「火災保険」そのための「借家賠」だ
…写真はあくまで「イメージ」な（笑）
例えばキッチンから出火してみ？そんでユニットバスとかに被害が出たら、結局内装を下地から全部やり替えだかんな。じゃねーと再設置出来ねーから。したらもう、何十万で収まらないワケよ。
そうした火災等により与えた、大家への損害賠償を補填のするのが火災（家財）保険に付帯する特約、「借家人賠償責任補償」いわゆる「借家賠」だ。最初に「賃貸用保険」を勧めたのは、借家賠特約が最初からセットされてるからなんだわ。
実際に保険更新忘れで１Ｋの室内全焼させて、何百万って賠償喰らった人もいるしな。火災保険は、賃貸生活の大前提なのさ。
④最悪の場合、契約違反で追い出されることも…
そうそう、最初に書いた「大家が建物の保険に入ってるから大丈夫だろ？」って話。
確かに失火元の入居者が賠償責任を履行しない場合は、大家の保険から原状回復費は填補される。が、それで終了じゃないよ？
賠償責任の「求償権」が大家から保険会社に移行されるだけ。取り立てはどんどん厳しくなるわな（笑）。
それと、最近の賃貸借契約書には「保険加入の義務」をうたっているのも多い。この場合、更新しないで放置していると契約違反になるからね。
最悪の場合、信頼関係の破壊を理由に退去を迫られる可能性だってある。
【結論】借金してでも保険には入っとけ。転ばぬ先の杖だ
今回触れなかったけど、自分が原因で階下に漏水事故を起こした場合は「個人賠償責任特約」が必要になる。
風呂に湯を張ってる途中に寝ちゃったとか、洗濯機の排水ホースが外れたとか、その結果何フロアにも損害を与えちゃったとか日常茶飯事なんだわ。
まあ「個人賠」は範囲が広いんで、漏水事故には限らないんだけどさ。
自分の家財なんてどうだっていい。この二つの特約のために、火災保険には絶対に入っとけ。
親から金を借りてでもだ。な？
