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賃貸マンション・アパートにまつわるトラブル(騒音・漏水・煙草・訪問販売・鍵の紛失・共用部分・家賃の滞納・敷金返還・原状回復等々)を、下世話に、馴れ馴れしく、クドクドと、そして極めて偏った立場で解決を試みるサイト「賃貸トラブルQ&A」。役に立つ情報より立たない情報の方が多いかも。最初に謝っておきます。ゴメンナサイ。

賃貸トラブル・ライター

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Author : ぴーたん

賃貸住宅・火災保険等に長く携わる流れ者。よく出没する場所はホームセンターの駐車場。会う人逢う人に「スマホで宅建」をゴリ押しする「松本佳也推し」でもある。最近の趣味は「拭き掃除」とのこと。

賃貸トラブルQ&A  >  敷金・原状回復  >  自殺された後の、部屋の問題

賃貸トラブル・質問

何だか人生に疲れたわ…賃貸の部屋ン中で死のうと思うんだけど、鉄道自殺とかに比べたらそんなに迷惑掛かんないよね?

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賃貸トラブル・回答

損害賠償は、室内の原状回復費用から「心理的瑕疵」を原因とした家賃の保証まで。死んだ後に身内に借金背負わすとか最低だな!!

まあ、死にたくなる気持ちも判らないではナイ。こんな世の中だしな。
賃貸での自殺と言っても様々でさ、首吊りに薬物、練炭、高層階なら飛び降りもあるわ。
方法はどうあれ、その場に自殺死体が転がってた部屋は「事故物件」で一括りにされ、その後まともに貸し出すことが出来なくなるんだわ。
そう、「心理的瑕疵」という要因でね。

①「心理的瑕疵」ってなんなの!?

「雨漏りします」とか「窓が壊れてて開かない」とか、見たら判るのは普通の「瑕疵」
これに対して、「前の入居者が自殺した」とか「殺人事件があった」とか、最近だと「ワンルームで子供放置してたら餓死しちゃいました」なんてバカッ母の話もあったよね。
そういう、目に見えるものではないけど後から知らされたらとてもじゃないけど住んでられない!!って事柄を「心理的瑕疵」と呼び、賃貸借に限らず不動産契約を結ぶ際は「絶対に」説明しなきゃならないのさ。
「告知事項有り」とか「特記事項有り」とか書かれてたら、まず間違いなく心理的瑕疵があると見て間違いない

②つーか、まずは「原状回復費」が請求されるぞ

死にたくなるくらいだから、当然にして実家だの友人だのとは疎遠になりがちだわな。
仮に勤務先がとってもマジメなところでさ、一日でも無断欠勤したら即実家に連絡!とか即お部屋訪問!とかじゃない限り、結構放置されちまうんだわこれが。
放置されたらどうなんのって?生肉冷蔵庫に入れずに常温で放置してみなよ、どうなるか想像出来るだろ(笑)。その「状態」が人の大きさで発生する訳だから、そりゃもう室内に対する影響なんてものすごいワケさ。
本格的な消毒・消臭作業に、内装はもちろん下地から全部やり直し。
すげえよ金額。その原状回復費の請求が、残された親族に廻ってくるのさ。

③改装しても、事故物件はマトモな家賃じゃ貸し出せない!!

いくら完全に改装されたとしてもさ。そこに死体が転がってた部屋でなんか、誰も普通の家賃を払って住みたくないわな(笑)。
当然、相場より安く賃貸に出さないと借り手が付かない。URなんかだと「特別募集住宅」と称して、家賃を半額にして募集してたりするもんな。
大損だよ。大家だって借金こさえてアパート建ててんのにさ。
それってさ、大家さんが一人損するだけだと思う?
いやいや甘いよ。大家さんはね、この損害を請求することができるんだよ。
誰にって?
もちろん、連帯保証人にだよ。大抵は君らの親御さんだよな。

④「善管注意義務違反」による損害賠償請求もやってくる、のだ

「善良なる管理者としての注意義務」ってのが民法にはあって、当然賃貸借契約書にも記載されているんだけどさ、要するに「部屋で死んだ」りすることは「善管注意義務違反」に当たるんだってさ。
つまり、「入居者を部屋で自殺」させたことは連帯保証人の「善管注意義務違反」であり、大家はその部屋が「心理的瑕疵」を負うことによる「損害賠償」を当然に請求出来ると。
これは判例でも結果が出ているように、もう曲げられない事実なんだわ。
相場(判例)で言えば、死後1年目の賃料については「全額」、2〜3年目については「半額」、早い話が「丸2年分の賃料」が「損害賠償の妥当額」とされている。

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仮に7万円の家賃の場合、168万円もの賠償請求をされちまうのさ。
原状回復費含めたら200万超えちまうだろな。そんな大金を、連帯保証人である残された遺族に背負わせることになるんだ。

【結論】「他人の持ち物」ン中では死ぬな。そんで…

賃貸の部屋もそうだし、鉄道もそう。自分の持ち物じゃない。他人の権利を脅かすと、必ず損害賠償が発生する。
そんなところで死ぬな。

それとさ。人間てのは、生まれてから死ぬまで全て「苦」(一切皆苦)なんだってさ。
生まれること、老いること、病気になること、そして死ぬこと。
執着することにより苦しむのであれば、その執着から解き放たれればいい。あるがままを受け入れ、生きる。それが原始仏教の考え方であり、釈尊の教えだ。
念仏や題目を唱えれば救われる的なものではなく、言うなれば最も原始的な「自己啓発セミナー」だったんだな。
死にたいとか思ってるヤツ、騙されたと思って「般若心経」から読んでみな。
ちょっとは楽に生きられるヒントが、隠されてるかも知んないぜ。

本の画像

松原泰道 著「般若心経入門―276文字が語る人生の知恵」 (祥伝社黄金文庫)

興味があったらググってみてよ。

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